しずくから文字 / 「故郷」(詩)

「つららも文字に見えたので」と、Facebookのコメントにこちらの画像をいただきました。

「詩屑と しずく・・・」

コメントくださったのは、先日の詩屑集めに参加していただいた、まめもちさん。

ああ、それってすごい。

言われてみると、言葉がしたたり落ちそうに見えてくる。

まめもちさんが言うには、言葉ではなく、文字なので、

もっと記号的な何かなのかもしれないと気がついた朝です。


ここのところ、どこかに行きたくて、福井鉄道にもずいぶん乗っていないな、と考えていました。

今朝も、雪はまだ降り続けていて、庭の雪は70センチ。

それから、嫌でも毎日耳にするパンデミックの報道が、憎い。

どこにも行けないので、余計に電車のことを考えてしまいます。

私は1両や2両で路面を走るような私鉄がとても好きです。

電車に乗ると、物語が動き出すような気がします。

学生の頃の思い出が蘇るというより、随分前にぼんやり考えていたことなどが、また窓の外を流れていくような感じです。

物語は、あらゆるところに散らばっている。と思うのです。

つららからしたたり落ちる文字も、そのひとつのような気がしています。

散らばっている物語を、ちょっと拾ってみたいですし、これから物語を散らかしてしまえたらいいなとも思います。


まめもちさん、

物語には、ゆゆゆ とか、よよよ とか、言葉にならないリズムというか、音というか、謎めいたものもたくさん溢れていて楽しいですね!

素敵なアイデアをいつもありがとうございます。

もっともっと、絵にしたり、小説にしたり、詩にしたり、作っていきたいです。

ずっとずっと、作っていきたいです。


随分前に書いた詩を、こちらに貼り付けておきます。


「故郷」

あっちへ行ってもそっちへ行っても

行き着く先を知っている

二両の私鉄に乗り込む人々の中で

主人公はいない

群像劇が一定の速度で進みだす朝

乗り合わせたところで何も変わらないが

乗り合わせたことが素敵なのだ

素敵な朝なのだから

ステキなのよと呪うように反芻しながら

気になってしまう速度

それぞれの速度

落ち度なし

ネクタイよし

ハンカチ ハナカミ よし

イヤホンからは春の音

単語帳にはカンバッセイション

化粧ポーチに滑り込むため息

溢れんばかりの

どれをとっても彼等の一日にふさわしい始まり

ガタゴトと揺れ動きながら

窓の外を見る人は少ない

いつもどうりの故郷だ


カナ








想作あれこれ

こちらは展示場です。 あれこれいろんなものを詰め込んでいます。 想うことを大切に作ります。 ー エガクカナ ー

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