2月13日の詩屑結び 「セロトニンとチョコラソーヌ」
「セロトニンとチョコラソーヌ」
キラキラと音を立てながら
天空から羽が一枚
思いがけず
やってきそうな日
子供のころから
晴れた空を見上げて
お日さまを浴びるのが好きだった
それがね
今日知ったのだけど
お日さまをおでこに浴びると
セロトニンっていう幸せホルモンが出るんだって
あのシアワセ感は
本物だったんだなぁ
体の感覚 間違ってない
素敵だな
確かだな
もっと自分を信じていいんだな
熊や蛇や蛙はまだ眠っているだろうか
わたしはちょっとそこまでと外へ
山のようにあった雪はいつのまにかなくなり
小鳥がエサを求めて
土の上をちょこちょこと
午後2時の気温は18度
日差しは眩しくコートもいらない暖かさ
スーパーの入り口真ん中で
苺がこんにちは
気づけば春はもうすぐなんだなぁ
フキノトウはどうだろう
あの黄緑色を想う
山もそろそろ美味しそうに見えてくる
ぽかぽか天気
とびきりの笑顔
たくさん食べてぽんぽんになったお腹
何より一番になった宝物
子どもたちがキラキラと音を立てながら笑う
描きたいと思うものがあり過ぎる
硬いチューブから柔らかな絵の具が飛びだす
椿の赤と
葉っぱの緑と
雪の白に
心が軽くなる
ふわりと
小さな画面上みたいにハートマークを出せるなら
きっとわたしの周りは掃除が大変だ
10才のバレンタイン
10才のデート みんなでデート
何日も前から浮つくムスメ
春めく陽気 恋するココロ
落とした物は なんだったっけ
忘れたくても 思い出せない
たくさんのチョコレート
切ないフォークソング
ぼうっと明るい涙が浮かんだ
ぼうっと見上げる
解体工事中の古い建築物
ここもゆっくりと変わっていく
なんでもなかったものが
崩れた途端に特別に見える
覚えてくれてた
何年もたっている
あの日の会話を
「なんて、いいやつ。」
ただ それだけのことなのに
あああ叫びたいほどに
一緒にごはん食べたいな
天気が良ければ外で風を感じながら
風が悔しさをかき消していく
……
大量のチョコレートを湯煎で溶かしました…
クルクルと混ぜていくと
ピカピカ光るようなチョコレート
台所に飾った一輪のフリージアが
ふわふわっと香る
ふわふわって幸せになる一瞬
この香り…大好きな香り
夕焼け空に浮かぶ月
細ーい細ーい月
透明な部分が消えていきそう
目が覚めたら
わたしも母も子どもになっていて
他の大人だった子どもたちと遊ぶ
わたしたちが同じ目線で過ごすには
魔法が必要かもしれないね
頷きあうと
また目が覚める
冷蔵庫を開けたら
メモが付いたギフトパックが
「Happy Valentines day
いつもありがとう
バスクチーズケーキとチョコラソーヌです 」
思い通りにいかない八つ当たりを向けてきて
そのお詫びだろうと察する母
娘の態度に確かに良い気持ちではなかったけど
本人はおそらくわかっているだろうと
ただただ静かに見守っていた2週間
生きていれば
自分の感情に自分が振り回されるときもあるさ
でも そんなエネルギーは長くは続かないものさ
チョコラソーヌとやらは甘苦く
わたし好みの美味しさでした
子どもたちがキラキラと音を立てながら
まばたきをする
そうして世界中のいのちがつられて
やさしくなる
囲炉裏から燻った匂いを衣服に纏いながら
天ぷらと卵丼を食べる
見知らぬ人にも笑みを浮かべる息子を横目に微笑ましく思う
息子を見て可愛いと言ってくださる気持ちも嬉しく感じ
帰ってからも衣服に纏う匂いと共に
笑顔で温かな気持ちになった
陽気な温かな1日
息子は口をもぐもぐしながら眠りについた
そんな息子も私と同じ匂いを纏っている
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